造作買取請求権(借地借家法33条(e-Gov法令検索))は、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に付加した造作を、賃貸借終了時に時価で買い取るよう請求できる権利です。宅建・賃管試験では「何が造作にあたるか」「特約で排除できるか」が頻出論点です。
造作買取請求権の要件(借地借家法33条1項)
- 建物の賃借人であること
- 賃貸人の同意を得て建物に「造作」を付加したこと(または賃貸人から買い受けた造作であること)
- 賃貸借が期間満了または解約申入れによって終了したこと
- 賃借人から賃貸人に対して時価での買取りを請求すること
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重要判例①:「造作」の意義(最高裁)
最高裁判所 昭和29年3月11日判決 民集8巻3号672頁
「造作」とは「建物に付加された物件であって、賃借人が所有し、かつ建物の使用に客観的便益を与えるもの」をいいます。具体的には畳・建具(雨戸・障子等)・エアコンの据付工事部分・給排水設備等が造作にあたります。
造作にあたらないもの:賃借人が取り外して持ち出せる動産(エアコン本体の移動可能部分等)、建物本体に固定されていない家具・什器など。
重要判例②:造作買取請求権の排除特約の有効性
最高裁判所 昭和28年9月25日判決 民集7巻9号979頁

造作買取請求権は任意規定であり、「造作買取請求権を排除する」旨の特約は有効と判示されました。これは借地借家法の強行規定(賃借人に不利な特約を無効とする規定)の対象外です。
重要対比:同じ借地借家法でも、建物買取請求権(31条)や更新拒絶の正当事由(28条)は強行規定であり特約で排除できません。一方、造作買取請求権(33条)・賃料減額請求権の定期借家における排除(38条7項)は任意規定です。
重要判例③:造作の時価算定(裁判例)
造作買取価格の「時価」は、取引時における客観的な交換価値(市場価格)を基準とし、設置費用から経年減価を控除した額が目安となります。判例・裁判例は「当事者の主観的な評価ではなく、客観的な市場価値に基づいて算定すべき」という考え方を採用しています。
造作買取請求権の効果
- 請求権の行使により、賃貸人・賃借人間に売買契約が成立したのと同一の法律効果が生じる(形成権)
- 賃借人は造作の引渡しと引換えに代金の支払いを請求できる(同時履行の抗弁あり)
- 賃貸人が代金を支払うまでの間、造作について留置権を主張できる
借地借家法の任意規定・強行規定まとめ
| 規定 | 強行/任意 | 賃借人不利の特約 |
|---|---|---|
| 更新拒絶の正当事由(28条) | 強行 | 無効 |
| 建物買取請求権(13条) | 強行 | 無効 |
| 造作買取請求権(33条) | 任意 | 有効 |
| 賃料減額請求権(32条) | 強行(原則) | 無効(定期借家は排除可) |
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まとめ
造作買取請求権は「任意規定→特約で排除可」「建物買取請求権(強行規定)との対比」がもっとも重要な試験ポイントです。何が「造作」にあたるかの判断(賃借人所有・付加された物・建物に客観的便益をもたらすもの)と、形成権としての効力(請求と同時に売買成立)も頻出です。
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