不動産売却「相続した不動産の売却」取得費・相続費用加算と税務の注意点【2026年版】

情報基準日:2026-05-22

相続した不動産を売却する場合、被相続人の取得費を引き継ぐため、長期保有で取得費が低い物件は多額の譲渡所得が発生することがあります。一方、特別控除や特例をうまく活用することで税負担を大幅に軽減できます。

目次

相続財産の取得費の引継ぎ

相続で取得した不動産の取得費は、被相続人(亡くなった方)の取得費をそのまま引き継ぎます(所得税法60条)。例えば被相続人が1,000万円で購入した土地を相続し、現在3,000万円で売却した場合:課税譲渡所得≒3,000−1,000(被相続人取得費)−100(売却費用)=1,900万円となります。取得費が不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として使います。

相続費用の取得費加算特例

相続開始から3年10ヶ月以内に相続財産を売却した場合、その財産に対応する相続税額を取得費に加算できます(租税特別措置法39条)。加算できる相続税額=(売却した財産の相続税評価額÷相続財産全体の評価額)×その方が納めた相続税額。これにより課税譲渡所得を大幅に圧縮できる場合があります。

相続空き家の3,000万円特別控除(2024年改正)

被相続人が一人で居住していた家屋・土地を相続し、一定条件を満たして売却した場合に3,000万円特別控除が適用できます(租税特別措置法35条3項)。2024年改正の主な変更点:①耐震リフォームまたは解体後の売却が要件だったが、2024年1月以降の売却は「買主が引渡し後に耐震化・解体を行う場合」も適用対象に拡大。②相続人が3人以上の場合の控除額が2,000万円に縮小(旧:3,000万円)。③適用期限を2027年12月31日まで延長。

保有期間の算定(相続の場合)

相続により取得した資産の保有期間は、被相続人の取得日から起算します(所得税法60条1項)。したがって被相続人が30年前に購入した土地を相続して売却した場合、長期(5年超)の税率(20.315%)が適用されます。これは贈与の場合も同様です。

売却前に確認すべきチェックリスト

①被相続人の取得費資料(売買契約書・登記書類)の有無を確認。②相続税申告書で相続税額と各財産への配分を確認(取得費加算特例の活用のため)。③相続空き家特例の適用可否を確認(一人居住・区分所有でない・耐震不適格等の要件)。④3年10ヶ月以内の売却か確認(取得費加算特例の期限)。

よくある質問

Q. 相続した不動産を売却して赤字になることはありますか?
A. 被相続人の取得費(高い場合)や相続税の取得費加算により、売却時の課税所得がゼロ以下になることもあります。ただし、土地は減価償却がないため建物の減価償却で取得費が低くなる点に注意が必要です。
Q. 兄弟で相続した不動産を売却する場合の確定申告は?
A. 各共有者がそれぞれの持分に応じた譲渡所得を確定申告します。3,000万円特別控除も各共有者ごとに3,000万円(最大)適用できます。

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この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
e-Gov法令検索国土交通省の公的情報に基づき情報発信しています。

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本記事は執筆時点の法令・制度に基づきます。個別の判断については専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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