※本記事の情報基準日:2026年4月
長期修繕計画とは何か
長期修繕計画とは、マンションの将来の修繕工事の内容・時期・費用を計画的に見積もった計画書です。マンション管理適正化法では、管理組合に対して長期修繕計画の作成・見直しを努力義務として定めています。国土交通省の標準様式では計画期間を30年以上とすることが推奨されています。
長期修繕計画に盛り込むべき主な工事項目
| 工事種別 | 修繕周期の目安 | 費用規模 |
|---|---|---|
| 外壁塗装・タイル補修 | 12〜15年 | 大 |
| 屋上・バルコニー防水 | 12〜15年 | 中〜大 |
| 鉄部塗装 | 5〜7年 | 小〜中 |
| 給水管・排水管更新 | 20〜30年 | 大 |
| エレベーター改修・更新 | 20〜30年 | 大 |
| 電気設備・幹線更新 | 20〜25年 | 中〜大 |
| 消防設備更新 | 15〜20年 | 中 |
| 共用部内装改修 | 15〜20年 | 中 |

長期修繕計画の作り方
STEP1:建物の現況調査(劣化診断)
建築士や設計事務所が建物の各部位の劣化状況を調査します。外壁のひび割れ・タイルの浮き・防水の劣化・設備の老朽化を現地調査と書面調査で把握します。
STEP2:修繕項目と時期の設定
劣化診断の結果をもとに、各工事の実施時期(何年後に・何回目の修繕か)を設定します。国土交通省の「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」のデータを参考に標準的な周期を設定します。
STEP3:費用の試算
各工事の概算費用を専門家(設計事務所・コンサルタント)に試算してもらいます。物価上昇を考慮し、将来の工事費は現在費用に上昇率(年1〜3%程度)を織り込むことが重要です。
STEP4:修繕積立金の収支計画との照合
計画した修繕費用の合計と、毎月積み立てられる修繕積立金の残高予測を照合します。将来のある時点で積立金が不足する場合は、増額・一時金・借入などの対策を早期に計画します。
見直しのタイミングと頻度
国土交通省のガイドラインでは5年ごとの見直しを推奨しています。ただし以下の場合は随時見直しが必要です。
- 大規模修繕工事が完了したとき(実績を反映)
- 修繕積立金が大幅に不足・余剰になったとき
- 建物の劣化が計画より早い・遅いことがわかったとき
- 法改正により新たな設備基準が設けられたとき

計画書の作成を専門家に依頼するか自主作成するか
専門家(建築士・マンション管理士・設計コンサルタント)への依頼費用は30〜100万円程度ですが、精度の高い計画が得られます。費用が気になる場合は、国土交通省が公開している「長期修繕計画標準様式」と「修繕積立金ガイドライン」を活用して概算版を自主作成することも可能です。
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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