📅 情報基準日:2026年4月時点
賃貸経営で「思ったより手残りが少ない」と後悔しないために、収支計算の基礎を正確に理解することが不可欠です。本記事では表面利回りから実質利回り・キャッシュフローまで順を追って解説します。
表面利回り(グロス利回り)
最もシンプルな収益指標で、物件選びの第一歩として使われます。
表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100
【例】購入価格3,000万円・年間家賃収入180万円の場合
表面利回り= 180 ÷ 3,000 × 100 = 6.0%
注意点:表面利回りは空室・諸経費を一切考慮しないため、実態より高く見える指標です。比較の目安にはなりますが、投資判断には不向きです。

実質利回り(ネット利回り)
諸経費と購入時コストを加味した、より実態に近い指標です。
実質利回り(%)=(年間家賃収入 − 年間諸経費)÷(物件購入価格 + 購入諸費用)× 100
【例】購入価格3,000万円・購入諸費用200万円・年間家賃収入180万円・年間諸経費60万円の場合
実質利回り=(180 − 60)÷(3,000 + 200)× 100 = 120 ÷ 3,200 × 100 ≈ 3.75%
年間諸経費の主な内訳
| 費目 | 目安 |
|---|---|
| 管理委託費 | 家賃収入の5〜10% |
| 固定資産税・都市計画税 | 年間10〜30万円(物件による) |
| 修繕積立・修繕費用 | 家賃収入の5〜15% |
| 火災保険・損害保険 | 年間3〜10万円 |
| 空室損失(空室率) | 5〜10%(地域・築年数による) |
キャッシュフロー(手残り)の計算
融資を使った場合の実際の手残り(キャッシュフロー)は以下の式で計算します。
年間キャッシュフロー = 実効収入(空室控除後) − 運営費 − ローン返済額(元利合計)
【例】
- 実効収入:168万円(180万円×空室率93.3%換算)
- 運営費:60万円
- ローン返済:90万円(2,500万円借入・金利2%・35年)
- 年間キャッシュフロー:168 − 60 − 90 = 18万円(月1.5万円)
利回りの目標水準(2026年相場感)
| エリア・物件種別 | 表面利回りの目安 | 実質利回りの目安 |
|---|---|---|
| 東京都心・好立地マンション | 3〜4% | 2〜3% |
| 都市部(東京近郊・大阪市内等) | 4〜6% | 3〜4.5% |
| 地方都市(政令指定都市等) | 6〜9% | 4〜6% |
| 地方(人口減少地域) | 10%以上 | 要精査(空室リスク高) |
高利回り=高リスクです。表面利回りが10%を超える場合、空室率・修繕費・人口動態のリスクを十分に確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 表面利回り8%と実質利回り5%、どちらが本当の収益力ですか?
A. 実質利回りがより実態に近い指標です。表面利回りは諸経費・空室を無視しているため、投資判断には実質利回りとキャッシュフローで判断することが重要です。
Q. ローンを使うと利回りはどう変わりますか?
A. 自己資本に対するリターン(ROE)は上がりますが、キャッシュフローは返済分が引かれます。借入金利が実質利回りを上回る(マイナスレバレッジ)状況は危険です。
Q. 賃貸経営で節税はできますか?
A. 建物の減価償却費を損失として計上できるため、給与所得との損益通算による節税効果があります。ただし節税目的の過度な不動産投資はリスクが高いため注意が必要です。
まとめ
- ✅ 表面利回りは比較の参考、投資判断は実質利回り+キャッシュフローで行う
- ✅ 運営費は家賃収入の30〜40%を見込むのが目安
- ✅ 借入金利 < 実質利回りのプラスレバレッジを確認する
- ✅ 地方高利回り物件は空室リスク・出口戦略を必ず検討する
免責事項
本記事の内容は執筆時点の法令・公的データに基づき作成していますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終的な判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

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