📅 情報基準日:2026年4月1日
不動産取引では、契約前に物件の法的状況・物理的状況を徹底的に調査することが不可欠です。本記事では宅建士が実務で行う物件調査の全手順を、確認先・チェックポイントとともに解説します。
目次
物件調査の全体フロー
- 登記情報の確認(法務局・登記情報提供サービス)
- 公図・地積測量図・建物図面の取得
- 用途地域・建築制限の確認(市区町村・都市計画図)
- ライフライン(上下水道・ガス・電気)の確認
- 現地調査(境界・接道・越境物・隣接状況)
- その他権利・法的制限の確認(抵当権・仮登記等)
①登記情報の確認
法務局(登記所)またはオンラインの「登記情報提供サービス」で登記事項証明書(全部事項証明書)を取得します。
土地登記事項証明書の確認項目
- 表題部:所在・地番・地目・地積(㎡)
- 権利部(甲区):所有権の移転履歴・差押え・仮処分
- 権利部(乙区):抵当権・地上権・地役権・賃借権の設定状況

②公図・地積測量図の確認
- 公図:土地の大まかな形状・隣接地・道路の位置を確認(精度は低い)
- 地積測量図:確定測量に基づく正確な面積・境界点を確認
- 建物図面・各階平面図:建物の形状・床面積を確認
③用途地域・建築制限の確認
市区町村の都市計画課(または都市計画情報のオンライン確認)で以下を確認します。
- 用途地域(13種類)
- 建蔽率・容積率
- 防火地域・準防火地域
- 高度地区・景観地区等の指定状況
- 道路種別(公道・私道)と幅員
④ライフライン確認
| 種類 | 確認先 | 主なチェック項目 |
|---|---|---|
| 上水道 | 市区町村水道局 | 本管の有無・口径・引込み済みか |
| 下水道 | 市区町村下水道局 | 公共下水道の有無・合併浄化槽・汲み取り |
| ガス | ガス会社 | 都市ガス・プロパンガスの別・本管距離 |
| 電気 | 電力会社 | 引込み済みか・容量 |
⑤現地調査のポイント
- 境界標(境界杭・鋲)の有無・位置確認
- 道路との接道状況(接道義務:建築基準法上の道路に2m以上接する必要)
- 越境物の確認(隣地からの構造物・木の枝など)
- 日照・眺望・騒音・臭気等の環境確認
- 土地の傾斜・地盤状況・浸水リスク(ハザードマップ確認)
まとめ・ポイント整理
- 登記事項証明書で所有権・抵当権・差押え等の権利関係を確認
- 公図・地積測量図で土地の形状・隣接地・境界を把握
- 用途地域・建蔽率・容積率は市区町村の都市計画情報で確認
- 接道義務(建基法上の道路に2m以上接道)を必ず確認
- ハザードマップ(洪水・土砂・高潮)の重要事項説明への記載義務(2020年改正)
よくある質問(FAQ)
Q. 登記事項証明書はオンラインで取得できますか?
A. 「登記情報提供サービス」(有料・クレジットカード決済)でオンライン確認が可能です。法的証明力は正式な証明書と異なりますが、調査目的には十分です。
Q. 公図と実際の境界が違う場合はどうすればいいですか?
A. 公図の精度は低い場合があります。実際の境界は境界標・筆界特定制度の利用・測量士による確定測量で確認します。
Q. 接道義務を満たさない土地は売れますか?
A. 売買自体は可能ですが、建築確認が取れないため「建物を建てられない土地」として評価が下がります。隣地の購入・セットバック等で解決する方法があります。
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