大家業において保険の選択は「見えないリスク管理」の核心です。適切な保険に加入していないと、火災・水害・入居者の事故で数百万円〜数千万円の損失を自己負担することになります。
大家が加入すべき保険の全体像
賃貸物件オーナーは「建物を守る保険」と「収益を守る保険」の2種類を組み合わせる必要があります。

| 保険の種類 | 補償対象 | 加入主体 |
|---|---|---|
| 火災保険(建物) | 火災・風災・水災による建物損害 | 大家(必須) |
| 地震保険 | 地震・津波・噴火による損害 | 大家(推奨) |
| 施設賠償責任保険 | 建物の欠陥による第三者への損害 | 大家(推奨) |
| 家賃収入特約 | 火災等で入居不能になった際の家賃損失 | 大家(重要) |
| 火災保険(家財) | 入居者の家財への損害 | 入居者 |
建物の火災保険:評価額と補償内容の選び方
保険金額の設定
建物の保険金額は「再調達価額(同等の建物を新築するコスト)」で設定するのが原則です。時価(経年劣化分を差し引いた額)で設定すると、火災全損時に再建費用が不足します。
- 木造アパート:坪単価70〜90万円 × 延床面積で概算
- RC造マンション:坪単価100〜120万円で概算
特約の選択
- 水災補償:川沿い・低地・ハザードマップの浸水エリアは必須
- 家賃収入補償特約:火災等で賃貸不能になった期間の家賃損失をカバー。実収入の12〜24ヶ月分が目安
- 孤独死・事故物件補償:孤独死や自殺等で生じる損失(特殊清掃費・家賃下落)をカバーする新型特約
地震保険の特徴と加入判断
地震保険は火災保険にセットで加入する特約型保険です(単独加入不可)。補償額は火災保険の30〜50%の範囲内で設定します。

- 地震保険料は国が設定(全社同一)。割引制度あり(耐震等級・免震建築物)
- 建物の損害度に応じて「全損・大半損・小半損・一部損」の4段階で支払い
- 地震リスクが高いエリア(関東・東海・南海トラフ沿岸)は加入を強く推奨
入居者に加入させる保険(借家人賠償責任特約)
入居者が火災・水漏れ等で大家・他の入居者に損害を与えた場合を補償します。民法415条(e-Gov法令検索)の債務不履行責任が生じるリスクに備えるため、賃貸借契約書で「火災保険(借家人賠償付)への加入を義務付ける」条項を入れることが重要です。
- 借家人賠償責任:大家への損害(焦がした・水濡れ等)を補償
- 個人賠償責任:他の部屋への損害(水漏れ等)を補償
加入を義務付けた上で、入居者が未加入のまま事故を起こした場合、大家が支払い後に入居者に求償できます。
保険料の経費計上
賃貸経営の火災保険料は全額必要経費として計上できます(所得税法37条(e-Gov法令検索))。長期一括払い(最長5年)にすると年払いより割安になります。
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